小野さやか監督映画アヒルの子 家族のこと知ってますか?

イントロダクション

あいまいな[生きづらさ]と対峙し 現代日本の[家族]の在り方を問い直す

迫真のドキュメンタリーがついに公開!

【家族]って何だろう?[私]って何だろう?。地域共同体が崩壊し、核家族化が進む現代日本で、揺れ動いている[私]と[家族]の関係。世界中のさまざまな事件の情報が日々溢れていても、[私]と[家族]の関係は多くの人にとって最も身近な問題ではないでしょうか。秋葉原通り魔事件、川口在住・中学生女生徒の父親刺殺事件・・・日本で起こっている数々の事件の背景には家族の問題が潜んでいます。

カメラの前に自らをさらけ出した監督・小野さやかが撒き散らす自己嫌悪の衝動は、親子の価値観の違い、姉妹間の愛憎、性的虐待・・・様々な[家族]の問題をえぐり出します。あいまいであるけれども強烈なその衝動は、観る者それぞれの家族観を大きく揺さぶることでしょう。本作は決して、彼女とその家族だけの物語ではありません。現代を生きる[あなた]とその[家族]の物語でもあるのです。

ストーリー

[家族]の中での[いい子]の[私]。

[私]は[わたし]を取り戻すために

[家族]を壊す決意をした。

家族を離れ、東京で一人暮らしをしながら専門学校に通う小野さやかは、自らの内面に巣食う生きがたさに悶え苦しんでいた。自分は価値がない、誰にも愛されていない、必要とされていない、生きる意味がない・・・。

その原因は、彼女が5歳のときに家族の下を離れ、ヤマギシ会の幼年部に1年間預けられたことから端を発する。その1年間を彼女は家族から「捨てられた」と思い、2度と捨てられないために[いい子]を演じてきた。しかし、彼女は[いい子]であり続けてきたことが自分自身を苦しめていることを発見し、自らを解放するため自分の内面を縛り付けている「家族」一人一人と対峙する決意をする。怒り、憎しみ、悲しさ、寂しさー。全ての感情を家族にぶつけた彼女が行き着く先とは・・・

 

[幸福会ヤマギシ会とヤマギシ学園幼年部]

幸福会ヤマギシ会は、農業・牧畜業を基盤とした理想社会を作るコミューン団体。養鶏家だった山岸巳代蔵が主宰した養鶏教室が母体になり1953年(昭和28年)に三重県伊賀市にて「山岸会」が発足した(95年に「幸福会ヤマギシ会」に改称)。発足当初は養鶏を軸にした小規模な農業コミューンだったが、60年代後半以降、学生運動経験者が多数参画し始め、鶴見俊輔や四手井綱英、新島淳良等著名人も賛同していた。80年代に入ると、子育て問題や環境問題などに関心の高い人たちに循環型社会のモデルとして好意的に受け容れられ始め、健康食ブームの時流に乗ったことで無添加・無農薬の農産物、畜産物の生産が伸び、三重県が中心だった拠点が全国各地に拡大していった。

「我執」を捨て去り「無所有一体」の生活を基盤とした幸福社会」を目指すことを信条とするため、参画するには一切の財産の供出を求められる。このことで脱会した参画者から財産返還を巡る訴訟が起こされることもたびたび報道された。90年代後半以降は健康食ブームも落ち着き最大時に比べて規模も縮小、従来の急拡大路線から徐々に変化していっている。

85年、ヤマギシズム(ヤマギシ会の思想体系の総称)を体現していく子どもたちを育てることを目的とした、ヤマギシズム学園幼年部が発足した(後に初等部、中等部、高等部が発足)。幼年部では、小学校に入る前の5歳の子供を対象に、1年間親元から離して学園の母親係と共に集団で生活させる。自然の中でのびのびと、争いのない中で子どもを育てるという方針に、受験戦争や校内暴力で荒れていた当時の教育環境全般に疑問を感じていた教育熱心な多くの親たちが惹きつけられた。
監督・小野さやかはその5期生に当たる。

小野さやか監督映画アヒルの子

●芹沢俊介(評論家)
家族に傷つけられたその傷の痛みに翻弄されながら、それでも家族の周辺を泣きながら泳いでいる アヒルの子。それが監督小野さやかである。映画はある日、鬼と化したアヒルの子が、親きょうだいに体当たりし、その衝撃に、醜さと見まごうばかりの血縁の真実があぶりだされていく。
私をふるえさせた捨て身の傑作だ!

●原一男(映画監督/大阪芸術大学映像学科教授)
なぜ人を傷つけることを恐れるのだろう?
なぜ自分が傷つくことを避けるんだろう?
傷つけ、傷つけられることで、はじめてお互いが理解できるし、共感と尊敬の念が起きてくる。コミュニケーションとは、戦いなのである。傷つけ、傷つけられることを避けたがる今時の若者たちの風潮に対して、小野さやかは果敢に宣戦布告をした。「アヒルの子」は、その戦いの記録である。が、ここに勝者はいない。小野自身が傷つき、血をしたたらせて呻いている。その姿が切なく、胸を打つ。

●内田春菊(漫画家)
構成力、取材力、作品を突き詰めていく体力が素晴らしい。死ぬ代わりに撮ったのだという事がとてもよくわかります。カウンセラーにかかるのでも、手記や弁論にするのでもなく、こういう映画にしたかったのですね。

●わたなべりんたろう(脚本/ライター)
前半はリアル「逆噴射家族」、後半はリアル「炎の少女チャーリー」! そんな映画が面白くないわけがない。そして、観ているうちに気づくが構成は「ゆきゆきて、神軍」であり、終盤に感動をもたらす手法は実は「タイタニック」のラストと同じ・・・と2つの映画史に残る作品との共通まである。あえて名づければ「ガールズ・オン・ザ・ラン」とも言える、この映画の中の走る小野さやかの姿は必見だ。

●小山内美江子(脚本家)
”家族”という絆に迫る"アヒルの子"のパワーに圧倒され、
とにかく冷たい水をコップ一杯のんで息をついだ
ラストのセリフ「生きていてよかった」はそのまま私のセリフだ。

●菅原哲男(児童養護施設「光の子どもの家」理事長)
本当の意味での家族のあり方を拓く出発点に引き戻すドキュメントな映画です。
これから子育てに向かう人も、子育て中の人も、子育てを終えたと思い込んでいる人も、そしてすべての人に見てもらいたい。考えてもらいたい。
考えるきっかけがこの映画にはあります。

●いまおかしんじ(映画監督)
泣いて、ぐちゃぐちゃになって、鼻水垂れ流して嗚咽する彼女の、過剰なまでの思い詰め方が、アホすぎて笑ってしまった。彼女がどこまでやるか、ドキドキしながら、観てました。アホは映画になる。

●星野真里(女優)
なぜそこまで本当の気持ちをさらけ出すのですか?
涙を流しながら話すその姿に自分を見たような気がしました。
自分ととことん向かい合った、これは輝かしい記録です。
そしてそれを受け入れた家族に、ただただ拍手を送ります。

●藤原新也(作家/写真家)
この映画はサヤカの生きる過程を活写した“なまもの”である。敢えて言葉に置き換えるならそれはドキュメントでもノンフィクションでもなく、ライブムービー、さらに言えばアライブ(生きている)ムービーであると言える。

●園子温(映画監督/詩人)
家庭は荒野だ。この若く魅力的な女性作家は、
この荒野を一人で、勇気を持って横断していく。
愚直なまでの素晴らしい誠実さで描かれた、
この驚異のドキュメンタリーは、
女の子バージョンの「ゆきゆきて、神軍」である。
傑作であるばかりか、行き着く先は神がかってすらいる。
誰もが感動しないわけにはいかないだろう。

twitter

スタッフ

監督:小野さやか twitter BLOG
1984年生まれ、愛媛県出身。高校卒業後日本映画学校に入学。2年次から映像ジャーナルゼミに所属し、ドキュメンタリーの制作を学ぶ。本作品は同校卒業制作として制作された。

制作総指揮:原一男
映画監督。1972年「さようならCP」で監督デビュー後「極私的エロス 恋歌1974」「ゆきゆきて、神軍」「全身小説家」と時代を代表するドキュメンタリー映画を発表。
日本映画学校では映像ジャーナルゼミを担任し「アヒルの子」の制作に携わった。現在は大阪芸術大学映像学科教授として後進の指導にも当たっている。

撮影:山内大堂

録音:伊藤梢

制作・編集:大澤一生

音楽:小倉里恵 (まめ妓)

アドバイザー:小林佐智子、栗林豊彦、浜口文幸

HP制作:王子 (男の娘だらけの魔女会)

予告編制作:藤本理子

宣伝協力:加瀬修一

宣伝:スリーピン

協力:幸福会ヤマギシ会

製作:日本映画学校

配給:ノンデライコ

劇場イベント

東京 ポレポレ東中野
1/12(金) 上映後 小野さやか(監督)
1/14(日) 上映後 小野さやか(監督)
1/17(水) 上映後 小野さやか(監督)
1/19(金) 上映後 小野さやか(監督)

劇場情報

東京 ポレポレ東中野
監督ステージトーク Q&Aも予定
再上映
2018年 1/6(土)~19(金)
東京 渋谷アップリンク 上映終了
神奈川 横浜シネマジャック&ベティ 上映終了
神奈川 川崎市アートセンター 上映終了
愛知 名古屋シネマテーク 上映終了
大阪 第七藝術劇場 再上映
2018年 2/3(土)~9(金) 18:10
京都 京都みなみ会館 上映終了
兵庫 神戸アートビレッジセンター 上映終了
新潟 新潟市民映画館シネ・ウインド 上映終了
長野 松本シネマセレクト 上映終了
北海道 蠍座 上映終了

自主上映

~『アヒルの子』の自主上映会を開催しませんか?~

ドキュメンタリー映画『アヒルの子』は自主上映を開催して頂く団体、個人を募集しております。
映画を通して是非たくさんの方と語る場を作って頂けたら幸いです。
・基本上映料:50,000円
・小野監督講演料:30,000円
詳細については下記までお問合せ下さい。お申込みお待ちしております。
お問合せ:ノンデライコ(担当:大澤)
電話:090-9304-3275
メール:nondelaico777@yahoo.co.jp